本の紹介
2019年10月18日(金)
台風19号が全国各地で大きな爪痕を残しました。
被災された皆さまが、1日も早く平穏な生活に戻れることを祈念しております。
当校と寮のすぐ脇に善福寺川(神田川)が流れておりますが、川が氾濫することもなく大きな被害もなく、通常通りの学校生活を送っております。
さて、今回は最近読んだ本を紹介します。石井光太著の『「鬼畜」の家:わが子を殺す親たち』です。
この本を紹介している記事を読み、手に取りました。この本を読む前は、かわいいわが子を殺す親がいるなんて信じられない、親になる資格はないなどと思っていました。虐待の事件をニュースで見るたびに親に対して怒りが沸いてきました。
しかし、読み進めるうちに、わが子を殺める親たちは、加害者と同時に被害者なのだと気付きました。彼らの生育歴、彼らの親との関係を知ればしるほど、彼らだけを責めることはできないと思ったのです。
私自身、愛情いっぱいに育ててくれた両親、大切な友達、温かい仲間など、今まで恵まれた環境で生きてきたのだと感謝の気持ちでいっぱいになりました。
このように事件として表に出てくるのは氷山の一角かもしれません。そのような親を生み出さない、そして健やかに子どもが育つ環境のためには、社会的なサポートはもちろん必要ですが、私個人として何ができるのだろうか、と考えるきっかけの1冊となりました。